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「むにむに」

第185号 服薬の力 ~ 金沢から発達障害について考えます ~

2019年08月17日

皆様,こんにちは。
発達凸凹学習塾86(はる)塾長の谷口一登です。

台風10号が広い範囲にわたり,影響を与えました。被害にあわれた方に,心からお見舞い申し上げます。
こちらでは,フェーン現象から気温が40℃近くにまで上がり,日中は室内から出るには,かなりの勇気が必要でした。

さて今回は,服薬のことについてです。

発達障害は,脳の機能障害が原因とされ,服薬などをすることによって治ることはありません。
では,お薬は何のために飲む(処方される)のでしょうか。

例えば,発達障害のひとつであるADHD(注意欠如・多動症)をあげてみます。
ADHDは,行動や感情の統制を司る脳の機能不全があると考えられており,不注意・多動・衝動性を基本症状とします。
では,脳のどこが機能不全かというと,「前頭前野」という部分です。前頭前野は,計画を立案・実行したり,注意などの認知活動の基盤であったり,ワーキングメモリを司ったりする機関となります。
故に,ADHDの方は
・見通しをもった計画を立てたり,それを実行できない
・忘れ物が多く,なくならない
・黒板や先生の話に注意を向けられず,別のことを考えてしまう
・ノートが乱雑で,後から見返しても読み取れない
・指示や説明を聞き逃し,作業が不正確になる など
以上のことから,周りから注意され,どんどん自信を無くしてしまう(自己肯定感の低下)…といった悪循環を繰り返します。

では,ADHDの場合,処方されるお薬はどのような効果があるのでしょうか。
「コンサータ」「インチュニブ」「ストラテラ」といったお薬は,脳の前頭前野を活性化するためのものと言われています。つまり,これらを服薬することで,機能不全だった前頭前野を活性化させ,症状を緩和させるというものなのです。

86(はる)に来られるお子様でも,服薬されている方がおいでます。
驚いたことに,服薬された日と,服薬を忘れてしなかった日では,ものすごい差が見られます。
集中力が全く違い,学習に対しての態度も全く異なります。

よく,服薬することに対して抵抗があったり,服薬と聞いただけで眉をひそめたりする方もいらっしゃいます。
私は決して服薬をお勧めしているのではないのですが,でも,服薬することで,お子様や保護者様が楽になるのでしたら,それも選択肢のひとつとして「○」だと思います。

お子様が,学校や社会の中で生きていく上で,障害をひとつでも取り除けることができたら,楽になることができたら!
そのためにお薬が処方されるのですね。

どうぞ,保護者の方が考えを広げ,お子様を受け入れてもらえたなら,笑顔いっぱいの「むにむに」が生まれるでしょう。
たくさんの「むにむに」が生まれるように,私共も頑張ります。

 

86(はる)では、ペアレントトレーニングのムービー講座も開講しておりますので、ぜひご覧ください。

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