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「むにむに」

第547号 自然遊びに勝るものはない!(前編)

皆様,こんにちは。
学習塾MOYU 塾長の谷口一登です。

今回は,とあるお母様の手記からです。
先日,そのお母様とお話しさせて頂く機会があり,本当に感動させられ,こちらに掲載をお願いしたところ,わざわざ原稿を書いて下さいました。
ありがとうございます。ぜひ,紹介させて頂きます。

小学生の娘は,2学期になり,教室に入れなくなりました。

もともと真面目な性格のため,「行かなくては!」という義務感から,しばしば泣きながらも遅刻せずに登校していました。
学年が上がり,「友達の視線」や「どう思われているだろうか」などがとても気になり,一人で悶々と不安を募らせていたようです。
夏休み明けの2学期,教室に入ろうとしたら,不安の方が大きく,「またクラスに入ったら,同じような気持ちを経験する」かと思うと,涙が出て足が進まなくなってしまいました。

それまでも,毎朝の登校時は,私が校門前まで送っていましたが,2学期からは,学校の中まで一緒について行かないと学校に入れなくなりました。
保健室の先生,担任の先生,学校カウンセラーの先生とご相談し,保健室の一角を使い,授業をオンライン形式で見られるようにして下さいました。
でも,どうしても教室には入れませんでした。

そんな中,お友達との関わり方にも少し変化がありました。
今まで仲良くしていたお友達とも交流はありますが,新しいお友達が誘ってくれ,毎日放課後の公園に集合し,遊ぶようになりました。
新しいお友達は自然遊びが大好きで,習い事はそれほど多くなく,毎日公園に集合し,何も道具がなくても遊びを考える天才でした。晴れたら池のカモに餌やりに行ったり,雨の日は傘をさして公園のアスレティックの下でお家ごっこをしたり,水溜まりにダイブして「誰が一番汚い?」とか,全ての刺激をゲラゲラとお腹の底から笑い飛ばして楽しんでいます。

娘が,このグループのお友達と毎日外遊びをするようになり,少しずつ変化が現れました。
不安でグズグズしていた気持ちが,外遊びで吹き飛んで,「あ~今日も楽しかった!」とニコニコしながら眠るようになりました。
冬でも,半袖で汗をかきながら自然遊びをする子ども達を見ていると,自然遊びが子どもへもたらしてくれるものは本当に数多く,寒暖の差や夕暮れの暗闇の中での哀愁の気持ち,落ち葉や花のつぼみを発見し 四季への感動,散歩する犬と見知らぬ飼い主さんとの触れ合い,公園に遊びに来ている赤ちゃんと遊んであげるお姉さん体験…などなど。
タブレットや動画を見ていては,決して得られない脳や心への新鮮な刺激と感情が満ち溢れています。
自然遊びには,子ども達自身が「ありのままでいいのだ」と安心して楽しめる包容力もあるのだと思います。正解が無い世界で伸び伸び過ごす時間が,娘の抱えていた心の傷を癒してくれたように思います。

これは,電子機器など,大人が開発した遊びとは決定的に構造が違う点で,私も今回のことでその重要性に初めて気づきました。

(以降,後編へ続く)

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