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「むにむに」

第565号 合理的配慮を受けるには…

皆様、こんにちは。

学習塾MOYU塾長、公認心理師の谷口一登です。

 

春休み真っ只中ですね。皆さん、毎日どの様に過ごされているでしょうか?

よく「輪ゴム」に例えられますが、常に張りつめている状態が続くと、輪ゴムは切れやすくなります。

春休みは、体と心を休ませて、次の学年へのエネルギーをチャージしておきましょう!

 

 

先日の北陸中日新聞朝刊に、「学習障害(LD)の方が、パソコンを使って高校受験をされ、合格した」という記事が載りました。

これは、障害者差別解消法で義務付けられている「合理的配慮」に当たります。

「合理的配慮」とは、障害者が社会の中で出会う困りごと・障壁を取り除くための調整や変更のことです。2024年4月に改正障害者差別解消法が施行され、公立学校だけでなく、私立学校も合理的配慮が法的に義務化されます。

 

学生生活を送っていて、誰もが必ずぶつかるのが「高校受験」。
一番困るのが、診断を受けていないグレーゾーンのお子様達です。どれだけ復習しても、どれだけ時間をかけても身につかない。そんなお子様は、いらっしゃいませんか?

これが続くと、「どうせ私なんて馬鹿なんだ」「やっても意味がない」「自分なんて、価値がない人間だ」といった自己肯定感の低下(二次被害)に繋がります。

 

よく保護者の方から、「俺が子どもの頃、(同じように勉強が)出来なかった。そのうち出来るようになるって」というお話も耳にします。これが、対応を遅らせることになります。
気づけば、中学3年!どうする? 
ということで、「成績を上げて下さい!」と学MOYUや86に来られる方も少なくありません。

 

お子様が、合理的配慮を受けるには、以下の3つが必要になります。

1)必ず本人の希望が必要です。
  本人の困り感から、例えば「授業でパソコンを使わせて欲しい!」という希望を学校側に伝えることが必要になります。そこで、「他の子が使っていないのに、自分だけ嫌だ」となると合理的配慮は受けられません。

2)必ず客観的な科学的データが必要です。
  科学的データの代表例が発達検査(知能検査)です。検査結果が無いと、勝手に自分の子どもだけ依怙贔屓(えこひいき)して欲しいのでは?と思われてしまいます。
  例えば、この子は検査から「処理速度」が遅いので、黒板を写すのに時間がかかるから、クロムブックで写真を撮って後からノートに写させて欲しい…ということになります。

3)実績を重ねること
  学校の普段の授業や、定期テスト等で、合理的配慮をすることで、そのお子様がどのように伸びが見られるのかを「実績」として積み上げていく必要があります。
  例えば、読字障害(ディスレクシア)のお子様が、テストで代読してもらうことで点数が大幅に向上した…というのも、実績のひとつです。これを中学校の校長先生を通して、高校側に提出することで受験の際、配慮が必要か検討されることになります。

 

 

お子様に発達凸凹の特性があり、合理的配慮を受けるには、お子様も保護者様も、本当に大変な手続きが必要です。前述のパソコンを使って高校受験をされたお子様は、(前例がないため)保護者の方と共に大変なご苦労をされたと聞きます。
でも、そのおかげで、お子様が充実した学習環境を手に入れることが出来ることを考えると(必要があれば)ぜひ申請されてみてはいかがでしょうか。

 

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