「むにむに」
第635号 スモールステップの大切さ
皆さん、こんにちは。親子DE発達凸凹86保育士、中村百香です。お盆は楽しく過ごせましたでしょうか?帰省したり、プールや海へ行ったり、様々な経験をしたかと思います。86の子たちも肌がこんがり焼けていて、楽しいお盆が過ごせたのだろうなと微笑ましく見ています。
86の幼児療育では、「スモールステップ」を大切にしています。
年少さんの男の子で、今ハサミで切る練習をしているお子さんがいます。
最初は、ハサミを持つことからぎこちなく、両手で掴むこともありました。しかし練習を続けていくと、上手にハサミの輪に指を入れられるようになり、スタッフがサポートするとぎゅっと握って切ることができるようになりました。
上手に握れるようにはなっても、次はハサミを自分で開くことが難しく、何度も一緒に練習しました。
練習していくと、自分でも手をぱっと開いてハサミを開くことができるようになり、自分で1回切りができるようになりました。
その次は「線」に沿って切れるように練習を始めました。紙に線を描いて、まずは手を持って一緒に線を切る練習をしましたが、なかなか線が意識できません…。
そこで、その子は「数字」が好きなので、線と線の間に数字を書いてみました。
すると、紙を見ただけでぱっと明るい表情になり、数字を「いち、に、さん・・・」と数えながら嬉しそうに切り出しました。その様子を見て、線の上に数字を書いてみると、繰り返すうちに上手に線を意識して切れるようになったのです。今はその線の上の数字を少しずつ小さくして、線だけでも意識して切れるように練習中です。
大人からすると「線の上を切るだけなのに!」と感じるかもしれませんが、子どもたちにとってはその1段階がとても難しく、「スモールステップ」での支援が重要になってきます。86では、一律の教材を使うのではなく、それぞれの「好き」を活かしてスモールステップを踏める教材を作っています。
苦手なこと、できないことも、「好き」を活かして「スモールステップ」を踏んでいけば、必ずできる日が訪れると思っています。ぜひ86にお子さんの可能性を広げるお手伝いをさせてくださいね。